大兵肥満だいひょうひまん)” の例文
どんぐりまなこ団子だんごっ鼻、赤ら顔に縮れっ大兵肥満だいひょうひまんの大女なれども鬼も十八の娘盛りとて薄黒い顔に白粉おしろいをコテと塗り、太き地声を細く殺して「伯母おばさん今日こんにちは」と妙に気取って歩み来る。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
大兵肥満だいひょうひまんでいらっしゃいますが、若殿様は中背ちゅうぜいの、どちらかと申せば痩ぎすな御生れ立ちで、御容貌ごきりょうも大殿様のどこまでも男らしい、神将のようなおもかげとは、似もつかない御優しさでございます。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
大兵肥満だいひょうひまんの武士であった。もちろん信者の一人であった。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)