“坎坷”の読み方と例文
読み方割合
かんか100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
はなはだしく坎坷かんか不遇を歎じなければならぬほどでないことは、上文に述べたごとくであるのみならず、実隆は他の公卿に比して天顔に咫尺しせきする機会が多かった。
表街の人道にてこそ沙をも蒔け、すきをも揮へ、クロステル街のあたりは凸凹坎坷かんかの處は見ゆめれど、表のみは一面に氷りて、朝に戸を開けば飢ゑ凍えし雀の落ちて死にたるも哀れなり。
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
イクバクモナクシテ都ニ入ル。坎坷かんか不遇。後ニ太政官だいじょうかんニ出仕シ、官ニアルコト十余年、明治庚寅こういん病ヲ以テほろブ。詩稿散佚さんいつシ流伝スルモノはなはまれナリ。余多方ニ捜羅そうらシ僅ニ数首ヲ得タリ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)