図々づうづう)” の例文
旧字:圖々
お慈悲に室を借りてやるというような見幕で、家の中にまで上り込んできて、図々づうづうしいったらありゃあしないわ。
変な男 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
「高等乞食」は、最初は遠慮がちであつたおみくじ屋の老人が、酒が廻つてからは次第に図々づうづうしくなり、いつまでもしつこく飲みたがつてゐるのに、しびれを切らして云つた。
大凶の籤 (新字旧仮名) / 武田麟太郎(著)
僕はいつか伊賀の香合かうがふ図々づうづうしくも枯淡な芭蕉を感じた。禅坊主は度たび褒める代りにけなす言葉を使ふものである。ああ云ふ心もちは芭蕉に対すると、僕等にもあることを感ぜざるを得ない。
続芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
しかし娘じみた細君の代りに図々づうづうしい母を見出したのは、……保吉は歩みつづけたまま、茫然と家々の空を見上げた。空には南風みなみかぜの渡る中にまるい春の月が一つ、白じろとかすかにかかつてゐる。……
あばばばば (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
或声 お前は何と云ふ図々づうづうしい奴だ。
闇中問答 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)