台盤所だいばんどころ)” の例文
「しかし実方の朝臣などは、御隠れになったのちでさえ、都恋しさの一念から、台盤所だいばんどころすずめになったと、云い伝えてるではありませんか?」
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
姫君のほうの南側の座敷の御簾みすの中へ来ることを許したのであるが台盤所だいばんどころの女房たちの集まっているほうへはいることは許してないのである。
源氏物語:25 蛍 (新字新仮名) / 紫式部(著)
「叔父の嫁娶よめとりなら、おまえ達には、叔母迎えじゃないか。それが、宴にも招かれず、台盤所だいばんどころの手つだいか」
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
台盤所だいばんどころへ来ておいでになって戸口へお呼びになった宮へ差し上げていたのをちょうどその時中宮の御前から出て来た大将が何心なく横目に見て
源氏物語:53 浮舟 (新字新仮名) / 紫式部(著)
まだ台盤所だいばんどころ婢女みずしをしていたころの事を思えば、——いや、思いがけない身分ちがいの男に、いどまれて、とうとう沙金しゃきんを生んだころの事を思えば、今の都は、名ばかりで
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
皇后ノ宮の武士景正は、賊と渡りあって欄下らんかに斬り落され、滝口ノ武者もたくさん寄って来て「そこぞ」「彼方ぞ」「逃がすな」と、台盤所だいばんどころから藤壺にまで屋鳴やなりが駆けわたっていた。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かわや係りの童女はきれいな子で、奉公なれた新参者であるが、それが使いになって、女御の台盤所だいばんどころへそっと行って
源氏物語:26 常夏 (新字新仮名) / 紫式部(著)
翌日命婦が清涼殿に出ていると、その台盤所だいばんどころを源氏がのぞいて
源氏物語:06 末摘花 (新字新仮名) / 紫式部(著)