口喧くちやか)” の例文
細君は珍しいおとなしい女で、口喧くちやかましい夫にかしずく様はむしろ人の同情をひくくらいで、ついぞ近所なぞで愚痴をこぼした事もない。
イタリア人 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
「かう倹約倹約つて、口喧くちやかましく絵具の使ひ方にまで干渉されるんぢや、とてもやりきれない。当分まあ、こんなことでもしておくんだね。」
人前も構わず口喧くちやかましく囀りかわすからで、黒いということが元来感心せぬ形容であったところから、一段とその誇張を促したものであろう。