取片付とりかたづ)” の例文
七千の僧侶が居っていつでもにぎやかで、荷物などの取片付とりかたづけをすれば人が見てどうしたとかこうしたというようなやかましい話も沢山出るのですけれども
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
病室の取片付とりかたづけ方を看護婦に命じて、新聞記者が来ても留守だと答えるように頼んでから、コッソリと裏廊下伝いにこのへやに来て、貴方の寝台のまわりを手探りで探したのです。
一足お先に (新字新仮名) / 夢野久作(著)
骨董商はちょっと取片付とりかたづけて澄ましているものだが、それだって何も慈善事業で店を開いている訳ではない、その道に年期を入れて資本を入れて、それで妻子をすごしているのだから
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
死骸で庭がのりだらけに成ってるから、泥の処は知れぬように取片付とりかたづけて置いた、なそれ、縁の下への様に入れて置いたから知れやアせん、江戸と違って犬は居ず、うずめるはまアあとでも
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
この供養は朝の四時頃までで日ののぼらぬ中に取片付とりかたづけてしまう。日が上って来ればバタ細工がとけてしまうからです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)