半睡はんすい)” の例文
キャラコさんは、うつらうつらした半睡はんすいの中で、あす早く起きて、佐伯氏が散歩する道の石ころをみな取りのけておこうとかんがえていた……。
キャラコさん:03 蘆と木笛 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
障子しょうじの外で野中さん、野中さんと呼ぶ声が二度ほど聞えた。宗助そうすけ半睡はんすいうちにはいとこたえたつもりであったが、返事を仕切らない先に、早く知覚を失って、また正体なく寝入ってしまった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
おくさまのもとの用心ようじんをとわたし、れもれもよとおつしやつて、おなじう寐間ねまへは入給いりたまへど、何故なにゆゑとなうやすからぬおもひのありて、はねども面持おもゝちたゞならぬを、且那だんなさま半睡はんすい御覽ごらんじて
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
半睡はんすいのぼんやりした夢の中で、レエヌさんにとった自分の態度を、後悔したり、肯定したり、んずほぐれつという工合にこねかえしていたが
キャラコさん:05 鴎 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)