勿来関なこそのせき)” の例文
勿来関なこそのせき趾をたずね、鵜子岬に遊び、日和山に登って、漁船に賑う平潟の港内や、暮れ行く太平洋の怒濤を飽かず眺めた後、湾に臨んだ宿屋の楼上に一夜を明かして
四十年前の袋田の瀑 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
それには、「勿来関なこそのせきに近いこゝらはもう秋だ」というようなことが書いてあった。
子をつれて (新字新仮名) / 葛西善蔵(著)
北の方は勿来関なこそのせき、西へ動いて東京から真北の那須、群馬県へ入って四万しま温泉のあるところ、それから浅間山、信州の諏訪の辺を通って静岡へ抜け、山梨県を包み、それからいよいよ南の方へ
空襲下の日本 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その方角というのは千葉県の香取神宮かとりじんぐうのそばをとおり、茨城県にはいって霞浦かすみがうらと北浦との中間をぬけ、水戸の東にあたる大洗おおあらい海岸をつきぬけて、さらに日立鉱山から勿来関なこそのせきの方へつらなっていた。
怪塔王 (新字新仮名) / 海野十三(著)