“前檣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぜんしょう46.2%
ぜんしやう23.1%
マスト7.7%
まえほばしら7.7%
フォアマスト7.7%
フォーマスト7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ふたりは前檣ぜんしょうの下へきて、その破損はそん個所かしょをあらためてみると、帆は上方のなわがれているが、下のほうだけがさいわいに、帆桁ほげたにむすびついてあった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
途中関釜くわんふ連絡船に乗ると、前檣ぜんしやうには日の丸の旗をひらひら掲げて呉れる。しもせきの山陽ホテルで、記者団の包囲を受けると、対話五分間で副官が撃退してくれる。
隼丸の前檣マストに「停船命令」の信号旗が、スルスルと上った。時速十六ノットの隼丸だ。——捕鯨船は、戦わずして敗れた。
動かぬ鯨群 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
あかつきの光にうき出してくる山のような堅艦けんかん! 六十門の十五サンチ砲はいまにも火を吹きそうな恰好でぐっと砲口を天に向け、霧のながれにつつまれた前檣まえほばしらやぐらは、見るからに堂々としていかめしい。
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
前檣フォアマストの帆索をゆるめるとすぐ、甲板の上にぴったりと腹這はらばいになって、両足は舳のせまい上縁うわべりにしっかり踏んばり、両手では前檣の根もとの近くにある環付螺釘リング・ボールト(13)をつかんでいました。
北の方にあるあの山を奴らは前檣フォーマスト山と言っております。三つの山が南の方へ一列に並んでますな、——前檣山と、大檣メーンマスト山と、後檣ミズンマスト山という風に。