「天皇さまは、このごろ八田若郎女やたのわかいらつめがすっかりお気に入りで、それはそれはたいそうごちょう愛になっているよ」
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
そのおるすの間、天皇のおそばには八田若郎女やたのわかいらつめという女官じょかんがお仕え申しておりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
いえいえ私は宮中きゅうちゅうへはお仕え申したくございません。皇后さまがあんなにごしっと深くいらっしゃるので、八田若郎女やたのわかいらつめだってご奉公ができないでさがってしまいましたではございませんか。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)