やがて六波羅の入道平相国にゅうどうへいしょうこくとなり彼の咲き誇らせた地上わずか十余年の間こそ——“古典平家物語”が、沙羅双樹さらそうじゅの花のいろ、諸行無常の響きあり、というところのものです。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)