側者頭そばものがしら)” の例文
それがしばらくしてから帰参して側者頭そばものがしらになっていたのである。権右衛門は討入りの支度のとき黒羽二重の紋附きを着て、かねて秘蔵していた備前長船おさふねの刀を取り出して帯びた。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
討手うって手配てくばりが定められた。表門は側者頭そばものがしら竹内数馬長政たけのうちかずまながまさが指揮役をして、それに小頭こがしら添島九兵衛そえじまくへえ、同じく野村庄兵衛しょうべえがしたがっている。数馬は千百五十石で鉄砲組三十ちょうかしらである。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)