いつわり)” の例文
この勝負に、嘘やいつわりがあろうとは思えなかった。彼は、久し振りに勝利の快感を、なんの疑惑なしに、楽しむことができた。
忠直卿行状記 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
澄江の慧眼は玄二郎の心に無神論を読み破つたとも受けとれるが、また、彼女の言葉にいつわりはないのであつて、神に変形したノスタルヂイを彼の心に見たのかも知れない。
姦淫に寄す (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)