そんなものよりは小説家の方が、まだしも道に近いやうな気がする。「尋仙未向碧山行せんをたづねていまだむかはずへきざんのかう住在人間足道情すんでじんかんにあるもだうじやうたる」かな。なんだか今夜は半可通はんかつうな独りごとばかり書いてしまつた。(十月二十日)
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)