休息やす)” の例文
なにもかも※寂ひっそりとして、沈まり返って、休息やすんでいるらしい。露深い草のなかに鳴く虫の歌は眠たい音楽のように聞える。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
何でもよほど山奥らしいのですが、疲れきった男女の六部ろくぶが嶮しい崖縁で休息やすんでいる処から始まるんです。頭上には老樹が枝をかわしていて薄暗く、四辺あたりは妙にしいんとしている。
むかでの跫音 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
休息やすみたいだけ休んだので庄三郎は元気付いた。でドンドン走り下った。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
薬瓶くすりびんもちて休息やすめる雑種児あいのこの公園の眼をおもはしむ。
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)