)” の例文
わしや身分が欲しかつたと。蒲団の裾にしがみ付き、はつと飛退く耳もとに。はやどこやらの汽笛の音。ゑゑせわしない、何ぞいの。横にけても居る事か。よその共寝を起こすがよい。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
今夜はさうでもなかつたか。それはそれでも、よい顔を、見せては、たんと、つけ込まれる。知らぬ顔して寝てゐたら、先方から何とかいはんしよと。少しは横にけかけた、腹の中での算段も。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)