“人臆”の読み方と例文
読み方割合
ひとおく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
才はじけた性質を人臆ひとおくしする性質がぼかしをかけている若者は何か人目につくものがあった。薄皮仕立で桜色の皮膚は下膨しもぶくれの顔から胸鼈へかけて嫩葉わかばのようなにおいと潤いを持っていた。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
境遇に負けて人臆ひとおくれのする少年であった鼈四郎は、これ等の人気ひとけを避けて、土手の屈曲の影になる川の枝流れに、芽出し柳の参差しんしを盾に、姿を隠すようにして漁った。すみれ草が甘くにおう。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)