乞食こも)” の例文
これを拾った者は、お乞食こもさんでも樽拾たるひろいでも、一人だけ邸内へ許されて、仏前に焼香する資格があるのだ。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
咲ちゃん! お前はどうして母さんが、こんなにいけないと云うのに聞き分けないの?(お咲は急に声をひそめて、彼の耳の辺でささやいた。)壁を食べるなんていうのは、お乞食こもだってしませんよ。
日は輝けり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「でもこのお乞食こもさんは、米を搗いてくれたから。」
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
「あそこに、お乞食こもさんがいたの。」
蜜のあわれ (新字新仮名) / 室生犀星(著)
「なんだい、お前さん。お乞食こもかえ。」
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)