いつか、『中央美術』で紹介されたこともあるが、この一毫さんと、まだ一人、中村秋塘なかむらしゅうとうとの二人は、この仲間の人でも同じく、滅多に自分の描いた陶器の裏に九谷とめいを入れることはない。
九谷焼 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)