不用いらぬ)” の例文
そういう訳なら案内は不用いらぬ。お前はここで待っているがよい。……さて、数馬殿、お気の毒じゃが、腕をふるっていただかなければならぬ。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
袖は涙にれて、白茶地に牛房縞ごぼうじま裏柳葉色うらやなぎはいろを曇らせている。島田まげはまったく根が抜け、藤紫ふじむらさきのなまこの半掛けははずれて、枕は不用いらぬもののように突き出されていた。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)