上流うわて)” の例文
芸一方で売るって私は知らねえ振りをしていれば、手前てめえの好いた男なら上流うわてくんだりまで往って寝泊りをして来やアがるだろう、私は知るめえと思ってようが
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
上流うわてから一艘の屋根船がしずかに下って来て、大川の秋の水は冷やかに流れていた。
両国の秋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
すぐに船頭さん上流うわてへ遣っておくれと云うので河岸を突いて船がズーッと右舷おもかじを取って中流へ出ます。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
わしはお村さんとやらに初めてお目に懸ったので、此の上州前橋の松屋新兵衞さんと云うお方と一緒に、今日上流うわてで一杯飲んで帰る時、船首みよしにぶつかった死骸を引揚げて見ると
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)