三頭みとう)” の例文
三頭みとう、雲取、大洞谷、上越界の山々、夫から夫へと目を走らせて、飴の絶間に話をしては、また新らしく頬張りながら目を走らせる。
奥秩父の山旅日記 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
途中栗坂峠の附近で野営し、翌日三頭みとう山の登りにかかった頃から雨に降られて、鶴川の畔の原村に下った。杉木立に囲まれて鎮守の社がある。
秩父のおもいで (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
武甲二州および相武二州の国界を成している小仏山脈が一段低く其前を走っている。両者とも北に行く程高く、そして前者の最高点大菩薩岳は、後者の最高点三頭みとう山と殆ど重っている。
望岳都東京 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
暫く休みて再び程に上り、千七百八十米の峰をえるとそれからは小突起の連続で、地図には草地の記号しか入れてないが、少許の藪があって登りも長く、南からする三頭みとうの登りを思い出させた。
美ヶ原 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
雪の無い時この連嶺を縦走しようとする人は、水の用意が肝要である。六月初旬に三頭みとう山の頂上から、此山を盟主とした連嶺を北方乱雲の絶間に仰ぎ見た時の雄大な感じは、未だに頭に残っている。
秩父の奥山 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)