七八日ななようか)” の例文
実は昨年、ちょうど今頃……もう七八日ななようかあとでした。……やっぱりお宅でお世話になって、その帰途かえりがけ、大仁からの電車でしたよ。
半島一奇抄 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼は短冊が折れたとか、よごれたとか云って、しきりに書き直しを請求してやまない。現に今年の正月にも、「失敬申し候えども……」という依頼状が七八日ななようか頃に届いた。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
二三日、七八日ななようか過ぐると、軒別に入営済にゅうえいずみの御礼のはがきが来る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
その頂きに七八日ななようか頃の夕月が懸っている。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)