一升樽いっしょうだる)” の例文
父は洋服に着換る為め、一先ひとまず屋敷へ這入る。田崎は伝通院前でんずういんまえ生薬屋きぐすりや硫黄いおう烟硝えんしょうを買いに行く。残りのものは一升樽いっしょうだるを茶碗飲みにして、準備の出来るのを待って居る騒ぎ。
(新字新仮名) / 永井荷風(著)
五五 川には川童かっぱ多く住めり。猿ヶ石川ことに多し。松崎村の川端かわばたうちにて、二代まで続けて川童の子をはらみたる者あり。生れし子はきざみて一升樽いっしょうだるに入れ、土中にうずめたり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)