“わびし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
50.0%
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(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
果して人の入来いりきて、夕餉ゆふげまうけすとて少時しばしまぎらされし後、二人はふべからざるわびしき無言の中に相対あひたいするのみなりしを、荒尾は始て高くしはぶきつ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
彼は悔いたり、我より容さば容さるべきを、さは容さずして堅く隔つる思も、又あやしきまでに貫一はわびしくて、そのき難きうらみに加ふるに、或種のあはれに似たる者有るを感ずるなりき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
むっとこもった待合のうちへ、コツコツと——やはり泥になった——わびしい靴のさきを刻んで入った時、ふとその目覚しい処を見たのである。
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)