“らんじゃたい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
蘭奢待85.7%
蘭麝待14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
名香六十一種、その内三十三種は勅銘で、第一は蘭奢待らんじゃたい、これは東大寺に在る勅封の名香、昔は将軍一代に一寸四分切り取って下賜かしになる例でしたが、後世はその事さえ無くなりました。
蘭奢待らんじゃたい芳香かおり四隣あたりを払うて、水を打ったような人垣の間を、しずりもずりと来かかる折から、よろよろと前にのめり出た銀之丞、千六の二人の姿に眼を止めた満月は、思わずハッと立佇たちどまった。
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
熊も熊、荒熊の如き武者修業の背後から、何の躊躇ちゅうちょもなく鎌の刃を引掛けたが、尊き女﨟じょろうの切下げ髪、紫の打紐うちひもにキリキリと巻いたるにさえ、焚籠たきこめてある蘭麝待らんじゃたいの名香。
怪異黒姫おろし (新字新仮名) / 江見水蔭(著)