“みりん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
味淋68.2%
味醂31.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
皿の中の汁以外に、ワリシタを入れた器があり、それに秘伝もののワリシタが入っているのだが、その蓋を除ると、プーンと強い味淋みりんの匂いがしたのを、これも判然覚えている。
牛鍋からすき焼へ (新字新仮名) / 古川緑波(著)
「そのな、焼蛤は、今も町はずれの葦簀張よしずばりなんぞでいたします。やっぱり松毬まつかさで焼きませぬと美味おいしうござりませんで、当家うちでは蒸したのを差上げます、味淋みりん入れて味美あじよう蒸します。」
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
新「あゝ海苔で、吸物は何か一寸見計みはからって、あとは握鮓がいゝ、おい/\、お酒は、お前いけないねえ、しかし極りが悪いから、沢山は飲みませんが、五勺ごしゃくばかり味醂みりんでも何でも」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
多数の厨婦が砂糖や味醂みりんの崇拝と妄用によって却って真の美味を害する結果を生ずると同様に、多数の人々は富の崇拝、貧のいやがりに因って、却って真の幸福を自害自損している。
貧富幸不幸 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)