“ぼてふり”の漢字の書き方と例文
語句割合
棒手振100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……左衛門町の棒手振ぼてふりの金蔵というのが、藤五郎が生洲いけすへ手を入れているところへ行きあわした。どういうはずみだったか、そのとき銀の腕守の留金がはずれて生洲の中へ落っこちた。
顎十郎捕物帳:18 永代経 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
買手の中には、女の棒手振ぼてふりも二三人いる。殆ど同じ装束で、短い着物の下に、あわせの腰巻をはき、紺の脚絆をつけている。市を待つ間などには、かなり卑猥な会話も交されているらしい。
澪標 (新字新仮名) / 外村繁(著)
貝殻を敷いた細いきたない横町で、貧民窟とでもいいそうな家並だ。山本屋の門には火屋ほやなしのカンテラをとぼして、三十五六の棒手振ぼてふりらしい男が、荷籠を下ろして、売れ残りの野菜物に水をれていた。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)