“ほや”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ホヤ
語句割合
火屋79.1%
海鞘4.7%
寄生樹2.3%
御供2.3%
2.3%
槲寄生2.3%
火筒2.3%
火舎2.3%
火蓋2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
引窓の閉まる拍子に、物音もせず、五ばかりの丸い灯は、口金から根こそぎいで取ったように火屋ほやの外へふッとなくなる。
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
又私の食膳には Cynthia属に属する、巨大な海鞘ほやが供され、私はそれを食った。私はちょいちょい、カリフォルニヤ州でアバロンと呼ばれる、あわびを食う。帆立貝は非常に美味い。
あかね寄生樹ほやすり
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御供ほやといふ荒村にしばらく船をとゞめて、胡桃の大木の陰になつてゐる川添ひの、茶屋で、私たちは昼飯を食べた、下条村の遠州ゑんしう街道かいだうが、埃で白い路を一筋、村の中を通つてゐる、ここで
天竜川 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
正造はその言葉を耳にとめて大出を見返し、それから畳のうえのランプのほやに眼を移して腕組みしていたが
渡良瀬川 (新字新仮名) / 大鹿卓(著)
欧州で神木とし霊薬とした槲寄生ほやを伐り落すに白布で受け決して地に触れしめず、触れたらその効力しといい(グリンム『独逸鬼神誌ドイチェ・ミトロギエ』四版二巻)、燕のひながその母鳥に貰い腹中に持つ霊石は
追ひ退けられたりする甲斐性なしとは違つて、冷たい空の下でも、すゞし絹のやうに柔らかに、青色の火筒ほやのやうに透明に、髪の毛までも透き通るまでに晶明に、地球上最も堅固な岩石の
天竜川 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
矢ジリのさき籠目かごめとした火舎ほやの中に、油脂ゆしをつめた物である。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すぐ立って蒲団のすその方に廻った健三は、どうしていか分らなかった。その時例の洋燈ランプは細長い火蓋ほやの中で、死のように静かな光を薄暗く室内に投げた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)