“ふじびたい”の漢字の書き方と例文
語句割合
富士額100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
濃い頭髪、顔全体が長い割には、変に狭い富士額ふじびたい、短い眉、細い目、始終笑っている様な目尻のしわ、長い鼻、そして異様に大ぶりな口。三郎はこの口がどうにも気に入らないのでした。
屋根裏の散歩者 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
額はまるく、まゆも薄く眼も細く、横から見ると随分しゃくれた中低なかびくの顔であるが、富士額ふじびたい生際はえぎわかつらをつけたようにあざやかで、下唇の出た口元に言われぬ愛嬌あいきょうがあって、物言う時歯並の好い
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
大抵の婦人は自惚鏡うぬぼれかがみに向って、私はこれで目丈けは千両だとか額丈けは富士額ふじびたいだとかと何か取柄とりえを見つけ出します。そうしてその一個所に重きを置いて、他のところは忘れてしまいます。
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)