“ふけこ”の漢字の書き方と例文
語句割合
老込100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
文士は芸術家の中に加えられるものであるが、然し僕はもう老込ふけこんでいるから、金持の後家をだます体力に乏しく、また工面くめんのよい女優のツバメとやらになる情慾もない。
申訳 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
しかしいくら思返して見ても、その時分鐘の音に耳をすませて、物思いにふけったような記憶がない。十年前には鐘の音に耳を澄ますほど、老込ふけこんでしまわなかった故でもあろう。
鐘の声 (新字新仮名) / 永井荷風(著)