“しやちこば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
鯱子張80.0%
鯱張20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これまで幾度いくたびか師匠の九つ目を聴いて、結構な出来だと思はぬ事は無かつたが、さて自分が語つてみると、戸無瀬となせ本蔵ほんざうも初めから鯱子張しやちこばつて、まるで喧嘩を売りに来たやうにしか見えない。
派手好きな鴈治郎は、刃傷にんじやうの場で思ひきり派手なき方をして舞台を巧くさらへてかうと註文をつけてゐたらしかつた。で、火熨斗ひのしをあてた白襦袢しろしやつのやうに、真青に鯱子張しやちこばつて舞台へ出た。
おかしな腰つきで、鯱張しやちこばつてゐるやうな自分の姿が彼は恥づかしくなつた。今朝、駒平がいだばかりの鎌の刄が、夏の朝の日ざしに、徒らに白く光つた。
生活の探求 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)