“こひなか”の漢字の書き方と例文
語句割合
恋中100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おこたり無く偵察ていさつしてゐると、丁度将門の雑人ざふにん支部はせつかべ子春丸といふものがあつて、常陸の石田の民家に恋中こひなかの女をもつて居るので、時〻其許へ通ふことを聞出した。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
稽古本けいこぼんを広げたきり小机こづくゑを中にして此方こなたには三十前後の商人らしい男が中音ちゆうおんで、「そりやなにはしやんす、今さら兄よ妹とふにはれぬ恋中こひなかは………。」と「小稲半兵衛こいなはんべゑ」の道行みちゆきを語る。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
さばかり間遠まどほなりし逢瀬あふせなるか、言はでは裂けぬる胸の内か、かく有らではあきたらぬ恋中こひなかか、など思ふに就けて、彼はさすがに我身の今昔こんじやくに感無き能はず、枕を引入れ、夜着よぎ引被ひきかつぎて、寐返ねがへりたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)