“かくりょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
廓寥66.7%
鶴梁33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
誰か見てはいなかったかしらと二度目にあたりを見廻したときの廓寥かくりょうとした淋しさを自分は思い出した。
路上 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
そうした、錯覚に似た彼らを眠るまえ枕の上から眺めていると、私の胸へはいつも廓寥かくりょうとした深夜の気配がみて来た。冬ざれた溪間の旅館は私のほかに宿泊人のない夜がある。
冬の蠅 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
垂れ下った曇空の下に大きなやしきの屋根が並んでいた。しかし廓寥かくりょうとして人影はなかった。あっけない気がした。嘲笑あざわらっていてもいい、誰かが自分の今たことを見ていてくれたらと思った。
路上 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
その中には漢学者では息軒そっけん鶴梁かくりょう宕陰とういん、詩人では五山、星巌、枕山、湖山、画家では老山、柳圃、晴湖等その他各方面の一流の近代名家の揮毫きごうがあって、一枚々々随意のものをがして売っていた。