“おじけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
怖気61.3%
怯気26.9%
怖毛7.5%
恐気1.1%
懼気1.1%
畏気1.1%
臆気1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
キャラコさんは、すこし怖気おじけがついてきた。自分が、いま、やりかけていることは、途方もなく突飛とっぴなことのように思われだして来た。
遠い所に置いてあったものが急に眼の前へ迫った感じで、励まされるよりは怯気おじけがついて、臀込しりごみするようになるのであった。
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
サン・モリッツは、豪奢第一ファッショナブルの冬の瑞西スイツルのなかでも最上級のブルジョア向きと見なされている土地である。そのため、大概の人が怖毛おじけをふるって、近処の村落に宿をとる。
踊る地平線:11 白い謝肉祭 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
大蛇うわばみでも居てねらうか、と若い者ちと恐気おじけがついたげな、四辺あたりまがいそうな松の樹もなし、天窓あたまの上から、四斗樽しとだるほどな大蛇だいじゃの頭がのぞくというでもござるまい。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
されば向島の秋葉様は十月の十七、十八という、そろそろ人の懼気おじけづく頃に例年の大祭を執行し、火防の御幣を広く参詣の人々に頒つこと、考えれば抜け目のないことである。
残されたる江戸 (新字新仮名) / 柴田流星(著)
その時よりして畏気おじけ附き、白昼ひるは更なり、も里方へはいで来らず、をさをさ油断ゆだんなかりしが。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
「本当にやる気があるのかい。臆気おじけをふるっているんなら、『まあ見合わせましょう』というがいいぜ。今が最後のチャンスだ」