“うめき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
呻吟67.6%
14.7%
埋木5.9%
呻声2.9%
叫喚2.9%
呻唸2.9%
唸呻2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
つまり押しくるめていえば学士会院の二時の鐘と血だらけの顔、そしてその裏面りめんに潜む革命の呻吟うめき、これがこの話の大体である。
不吉の音と学士会院の鐘 (新字新仮名) / 岩村透(著)
彼は、かすり傷を負つた豹のやうな、凄い表情をしながら、二人の後姿を睨んでゐた。もう一言何とか言つて見ろ。そのまゝには済まさないぞ。彼の激昂した心がさうしたうめきを洩して居た。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
それより前に、わしが畳を敷き代えた日に、埋木うめきの口が落ちた途端には、何か、燦然さんぜんとしたものを見たが、お前の母親が茶の間から飛んできて、妙にあわてて隠したものだ。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
猛烈な呼吸と呻声うめきとが私達の耳を打った。附添の女は走って氷を探しに行った。お房の気息いきは引いて行く「生」のうしおのように聞えた。
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
最早もう声らしい声も出なかったから、せめて最後に聞くかと思えば、呻声うめきでも私達には嬉しかった。死は一刻々々に迫った。
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
日本兵のなすに足らざるを言って、にじのごとき気焔きえんを吐いた。その室に、今、垂死の兵士の叫喚うめきが響き渡る。
一兵卒 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
「もうその声が畜生の呻唸うめきじゃ、どうじゃ、牡、何と思う。牝、どうや。」
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
男は何か言はうとして、僅に手先を動かしたが『阿呍うん』と一唸呻うめき、言下に反繰そつくり返つて仰樣のけざまたふれた。
二十三夜 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)