“いなかげんじ”の漢字の書き方と例文
語句割合
田舎源氏100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
休憩時間は十ぷんである。廊下へ出るもの、喫煙に行くもの、用をして帰るもの、が高柳君の眼に写る。女は小供の時見た、豊国とよくに田舎源氏いなかげんじを一枚一枚はぐって行く時の心持である。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いわゆる女にしても見ま欲しいという目眩まぶしいような美貌で、まるで国貞くにさだ田舎源氏いなかげんじの画が抜け出したようであった。難をいったら余り美くし過ぎて、丹次郎たんじろうというニヤケた気味合きみあいがあった。
かの田舎源氏いなかげんじ自来也じらいや物語、膝栗毛ひざくりげ八笑人はっしょうじん、義太夫本、浄瑠ママ本のごとき、婦女童子もこれを読んでよく感動し、あるいは笑い、あるいはかなしむもの、まことに言語・文章の相同あいおなじきゆえんなり。
平仮名の説 (新字新仮名) / 清水卯三郎(著)