“あれやしき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
荒屋敷75.0%
廃邸25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこで様子をうかがえば、お綱はたしかにこの荒屋敷あれやしきの中にいる。さっき、チラと洩れてきた爪弾つまびきでも知れる。だが、旅川周馬とかいう奴、一体留守なのか、いるのだろうか。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところがこの通りな荒屋敷あれやしき、いつ来てみても釘付けなので、業腹ごうはらだから今日は向うをコジ開けて、この部屋へ上がり込んで周馬の戻りを待っていたところが、たいそう草双紙くさぞうしが積んであるから
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この廃邸あれやしきの空気は、お庄にはあまり居心いごこちがよくなかった。部屋で声を立てても、奥から駈けつけて来てもらえそうにも思えなかったし、庭も何だか陰気くさかった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)