橋上きょうじょう――詩壇の議論家に捧ぐ――しだんのぎろんかにささぐ
支那のある水郷地方。 白柳が枝をたれて、陽春の長閑かな水が、橋の下をいういうと流れてゐる。 橋の上に一人の男がたたずんでゐる。男はぼんやりと考へながら、川の流れを見つめてゐた。 「どうした?惠子。」 さういつて一方の男が、後から肩を叩いた。 …