回想かいそう
私は日露開戰の前年、讀賣新聞社に入社して、滿七年間の勤務を續けたのであつたが受け持ちは、主として美術、文學方面の消息を傳へることと、作品の批評をすることで、演劇の批評もしてゐた。今日の文化欄を主宰してゐたのだが、何もかも一人でやつてゐるやう …