無情な今年の二月むじょうなことしのにがつ村松梢風氏と下中弥三郎氏をいたむむらまつしょうふうしとしもなかやさぶろうしをいたむ
二月という月は、私にとって生れ月で、元来ならばまず目出たい月というのだが、今年の二月は相次いで、私の最も親しい人々が数人もあの世へ行ったので、厄月になってしまった。 そのうちでも、村松梢風氏と下中弥三郎翁の死は、わけても傷心なことであった。 …