旅の絵たびのえ
竹中郁に ……なんだかごたごたした苦しい夢を見たあとで、やつと目がさめた。目をさましながら、私は自分の寢てゐる見知らない部屋の中を見まはした。見たこともないやうな大きな鏡ばかりの衣裳戸棚、剥げちよろの鏡臺、じゆくじゆく音を立ててゐるステイム …
題名が同じ作品
旅の絵 (新字新仮名)堀辰雄 (著)