アコウの木アカホのき
冬の光は冲天に流れて 池面は数日来じめじめ淀んでゐる アカホの木は一つ古木ゆゑに 杖のやうに気根をたより その南の枝に烏は一羽未だ地上に達しない光を貪ってゐる 烏はただ黙々と 村人たちの悲しい迷信の上に不可思議な運命をまじなひ 樹下にたじろ …