記憶きおく
記憶をたとへてみれば 記憶は雪のふるやうなもので しづかに生活の過去につもるうれしさ。 記憶は見知らぬ波止場をあるいて にぎやかな夜霧の海に ぽうぽうと鳴る汽笛をきいた。 記憶はほの白む汽車の窓に わびしい東雲をながめるやうで 過ぎさる生活 …
題名が同じ作品
記憶 (新字新仮名)梅崎春生 (著)