坂道の孤独参昧さかみちのこどくざんまい
何故俺は些う迄性のない愚図なんだらう、これツぱかりの事を何も思ひ惑ふにはあたらない、手取り早く仕度さへすれば二時間も掛らないで出来上る……が、純造は「明日こそは——」と叱るやうに決心した。前々の日に出掛ける筈で既に叔母から旅費はちやんと貰つ …