なつかしき挿話なつかしきそうわ
震災後、未だ雑誌「新演芸」が花やかであつた頃、作家の見たる芝居の印象——といふやうな欄があつて、僕も二三度此処に登場したことがある。そして、そのうちの二つが吉井勇作の芝居であつたことを憶へてゐる。一つは「魔笛」と題する——これは新聞であらう …