昭和四年に発表せる創作・評論に就てしょうわよねんにはっぴょうせるそうさく・ひょうろんについて「山彦の街」について「やまびこのまち」について
「山彦の街」を、前編だけで、完了し忘れたのを遺憾に思つてゐます。あれは僕の脳裡を不断に去来してゐる共和国の一片です。某君が、何に材料を得たか?と問うたが、材料は空想です。空想ではありますが、日常の見聞が幾分姿を変へてゐる部分もあります。あれ …