文盲自嘲もんもうじちょう
先夜、音樂學校の古川といふ人が、お見えになり、その御持參の鞄から葛原しげる氏の原稿を取り出し、私に讀ませたのですが、生れつき小心な私は、讀みながら、ひどく手先が震へて困りました。かういふ事が、いつか必ず起るのではないかと、前から心配してゐた …