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『発病した頃』
ふりがな文庫
『
発病した頃
(
はつびょうしたころ
)
』
胸までつかる深い湯の中で腕を組んで、私は長い間陶然としてゐた。ひどく良い気持だつた。外は凩が吹いて寒い夜だつたが、私は温かい湯に全身を包まれてゐるので、のびのびとした心持であつた。私は結婚したばかりのまだ十八にしかならない妻のことを考へてゐ …
著者
北条民雄
ジャンル
文学 > 日本文学 > 記録 手記 ルポルタージュ
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約3分(500文字/分)
朗読目安時間
約4分(300文字/分)