「味の素」発明の動機あじのもとはつめいのどうき
余が化学を修め始めたるは明治十三年余が十七歳の時にして、主としてロスコー、ファウン=ミルラー、ミューアなどの英書に就きて斯学の初歩を講じたるものなるが、多くもあらぬ小遣銭は尽く薬品器具の購入に費し、家人の迷惑をも顧みず酸類にて衣服や畳に孔を …